花粉センサは日本のスギ・ヒノキ花粉検知に特化した小型センサです。
本記事では、花粉センサを使用した花粉飛散情報集約の必要性について解説します。
花粉飛散情報集約の背景

花粉飛散量は年々増加しており、花粉症を持つ人も増えています。
それに伴い、花粉モニタリングへの注目は全国的に高まっています。
政府が推し進める花粉症対策の内、飛散対策として「花粉飛散量の予測精度向上」があります。
環境省、林野庁、気象庁では、民間事業者等が実施する花粉飛散予測の精度向上を支援する動きがあり、花粉の発生量・飛散量に関する情報、植生に関する情報、低い空域の風・気温・降水等の予測情報が提供されています。
精緻化されたデータを民間事業者に提供すること等により、
民間事業者が実施する予測の精度向上を支援することができます。
花粉症に関する関係閣僚会議|内閣官房ホームページ (cas.go.jp)
一般的な測定方法
花粉の一般的な測定方法はダーラム法と呼ばれ、ワセリンを塗ったプレパラートで24時間捕集した花粉を顕微鏡で計測する方法です。

ダーラム法のメリット | ダーラム法のデメリット |
---|---|
設置が簡単 | 流量が分からない (検知数を体積濃度に変換できない) |
安価 | 検知数が少ない傾向がある |
電気的動作が無く、故障が少ない | リアルタイム計測が出来ない |
電源確保が不要 | 目視による識別判断ミスやカウント漏れなど、 誤検知が発生しやすい |
花粉センサの原理と特長
測定器の種類

一般的に花粉測定を行えるセンサは世の中に少なく、日本では神栄テクノロジー製『花粉センサ』が主流です。
花粉センサは日本のスギ・ヒノキ花粉限定で自動モニタリングが可能なセンサで、全国に配備することで今年のスギ・ヒノキ花粉がいつからいつまで飛ぶか、ピークはいつごろか、リアルタイム飛散状況はどの程度か、エリアごとの飛散状況はどの程度か、などの測定に役立てることが可能です。
全国の飛散状況モニタリング事業向けに採用実績があり、花粉飛散情報を集約するためのツールとしてご利用頂けます。
花粉センサの特長
安価で簡便に花粉の測定が可能

上図は花粉センサ評価セットを百葉箱に設置した例です。
用意するものは、雨・風をしのげる筐体と電源のみ。すぐに測定が可能です。
花粉センサ評価セット
屋外の大気中の日本のスギ・ヒノキ花粉を検知

花粉センサは光散乱方式を利用しています。
1つの発光素子から粒子に光を照射し、粒子から発生した散乱光を2つの受光素子で読み取り、大きさ、形状、粒子表面(偏光度)情報から、土ぼこりと日本のスギ・ヒノキ花粉を識別します。
日本のスギ・ヒノキ花粉は丸くツルツルの表面をしていますが、それ以外(例えば、イネやブタクサ 、花粉等)は、スギ・ヒノキ花粉と大きさ、形状、表面が異なることから花粉センサでの検知が難しい場合があります。
データのグラフ化が可能

花粉センサ評価セットにはデータファイリングソフト(花粉判定マトリクス)が付属されています。
このソフトを使えば、検知した総粒子数の中から、スギ・ヒノキ花粉である可能性の高い粒子数をカウントすることが可能です。
また、CSVデータへの出力が可能です。
花粉センサマトリクス
CSVファイル出力
花粉センサ評価セット
花粉センサの採用事例

花粉センサは民間気象会社や携帯電話業界に採用実績があります。
全国数百~数千拠点に花粉センサを配備し、花粉の飛散状況を測定。
センサネットワークを構築することで、局所的な花粉の飛散状況のお知らせに役立てることができます。

センサネットワークによる花粉飛散情報の集約

大学、研究施設での花粉測定

データを基にドラッグストアでの花粉関連製品を陳列

耳鼻咽喉科等での処方のアドバイス
花粉センサ評価セット
まとめ
営業担当がしっかりサポート!

花粉センサ 花粉センサ評価セット